filo メンテナンスガイド
この度は、オリーブウッドのカッティングボード「filo」をお選びいただき、ありがとうございます。
オリーブの産地である地中海地方では、大切にメンテナンスしながら何世代にもわたって受け継がれるオリーブウッドの調理器具が数多く存在します。
filoも同じく、適切なメンテナンスを行うことで何十年にもわたって使い続けられる道具です。
無垢製品ならではの醍醐味は「育てる」こと。長持ちさせるためだけの手入れではなく、使うほどに深まる風合いや手になじむ感触を味わいながら、その変化を楽しめます。
メンテナンスには少し手間や時間がかかりますが、これまでの時間を思い返したり、次に使うシーンを思い描いたりしながら取り組むことで、丁寧なひとときそのものを楽しんでいただけるはずです。
その積み重ねとともに、filoも少しずつ表情を変えていきます。ふと見返したとき、そこに思い出が刻まれているのを感じられることでしょう。
このガイドでは、そんなfiloを末永くご愛用いただくための、正しいメンテナンス方法をご紹介しています。
1.日常のお手入れ
毎日の正しいお手入れが、カッティングボードの寿命を大きく左右します。
難しい作業ではありませんが、いくつかのポイントを守ることで、美しさと機能性を長期間維持できます。
<基本的な洗い方>
洗うときは、薄めの洗剤で洗ってください。
そして、調理が終わったら、できるだけ早めに洗いましょう。
食材の汁や油分が長時間付着していると、シミや臭いの原因となります。
とはいえ、キャンプシーンでは「洗い物は翌朝」といったこともあると思いますので、「キッチンペーパーで表面を拭いておく」のがおすすめです。
こうすることで、洗うときも少量の洗剤&サッと荒いで汚れを落とせます。
●洗うときの注意点
①洗剤をたっぷりかけすぎないこと
がポイントです。表面のオイルが取れてすぐにカサカサになってしまいます。
洗剤は少量で薄めが適量です。優しくサッと洗うことを心がけてください。
②食器洗い機での洗浄は絶対NG
高温のお湯と強い洗剤により、木材が急激に乾燥し、ひび割れや反りの原因となります。
また、他の食器との接触により傷がつく可能性もあります。
③長時間の浸け置き
水に長時間浸けると、木材が過度に水分を吸収し、膨張や変形、カビの発生リスクが高まります。
④研磨剤入りスポンジの使用
表面を傷つけ、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
⑤漂白剤の使用
塩素系漂白剤は木材の繊維を破壊し、変色や強度低下を引き起こします。
酸素系漂白剤も、木材にとっては過度に強力で、定期的な使用は推奨されません。
⑥アルコール系洗浄剤
アルコール濃度の高い洗浄剤は、木材を急激に乾燥させ、ひび割れの原因となることがあります。
どうしても除菌が必要な場合は、食品用アルコールを薄めて使用し、すぐに水で洗い流してください。
<乾燥の方法>
●水分の拭き取り
洗い終わった後は、タオルかキッチンペーパーでさっと軽く拭き取ります。
●自然乾燥
縦に立てかけて(短辺を上下にして)風通しの良い場所で自然乾燥させるのがおすすめです。
両面を空気に触れさせることで、均等に乾燥させることができます。
この時、直射日光が当たる場所はおすすめできません。
2. 定期的なオイルメンテナンス
カッティングボードの美しさと機能性を長期間維持するために、定期的なオイル塗布は欠かせません。
この工程を「メンテナンス」ではなく「お手入れの楽しみ」として捉えていただければと思います。
<オイル塗布の目安>
●基本的な頻度
通常の使用であれば、1ヶ月に1回のオイル塗布で十分です。
ただし、使用頻度が高い場合などは、オイル塗布の頻度を多めにしてください。
●塗布のタイミングを見極める方法
表面を手で触れた際に、以下の状態を感じたらオイル塗布のサインです。
・表面がカサカサと乾いている
・艶がなくなってきた
<推奨するオイルの種類>
●亜麻仁油(食用グレード)
最もおすすめです。
乾性油として知られ、時間をかけて木材に深く浸透し、自然な保護膜を形成します。
食品安全性も高く、木材の美しさを最大限に引き出します。
●食品グレード ミネラルオイル
無味無臭で変質しにくく、初心者の方にも扱いやすいオイルです。
定期的な塗り直しが必要ですが、安定した保護効果を提供します。
●専用木材保護オイル
カッティングボード専用に調合されたオイルも市販されています。
複数の油の利点を組み合わせた製品が多く、確実な効果が期待できます。
<避けるべきオイル>
●オリーブオイル
酸化しやすく、時間が経つと酸化臭が発生し、粘性を帯びて汚れの原因となる可能性がありますので、あまりおすすめはしていません。
●その他の食用油
サラダ油、ごま油などの一般的な食用油も、酸化による劣化が早いため適していません。
<準備するもの>
・推奨オイル
・清潔な布(綿100%が理想)
・乾いた布(仕上げ用)
・100%植物性の蜜蝋ワックス(お好みで)
<塗布の手順>
①表面のクリーニング
通常の洗浄を行い、完全に乾燥させます
②薄く均等に塗布
布にオイルを少量取り、表面全体に薄く伸ばします 厚塗りは避け、表面全体に均等に行き渡らせることが重要です
③浸透時間
塗布後、丸一日放置し、オイルを木材に浸透させます この間、表面に触れないよう注意してください
④余分なオイルの除去
乾いた布で表面に残った余分なオイルを拭き取ります べたつきが残らないよう、しっかりと拭き取ることが重要です
⑤蜜蝋ワックスの塗布(お好みで)
オイルが乾いた後、100%植物性の蜜蝋ワックスを薄く塗ることで、より撥水効果が高まり、カサカサを防ぐことができます
※MISTLOREでは、お渡し前にWALRUS OILのWAXで仕上げを行っております
https://walrusoil.com/products/wood-wax
こちらは少し高価ですが、市販の蜜蝋ワックスはもっとリーズナブルにお買い求めいただけるものが多数あります
⑥最終乾燥
風通しの良い場所で一晩乾燥させます
3. キズとエイジングについて
●ナイフ跡は「味わい」
使用に伴うナイフ跡は、カッティングボードの自然な経年変化です。
これらの跡は、木材の生きた証であり、使い込まれた道具の美しさの一部と考えていただければと思います。
●軽微なキズのメンテナンス
どうしても気になる場合は、以下の方法で目立たなくすることができます。
①400番のサンドペーパーで軽く研磨
②1000〜2000番のサンドペーパーで仕上げ研磨
③研磨後は必ずオイル塗布と蜜蝋ワックスを行う
4.トラブルシューティング
長期使用において発生する可能性のあるトラブルと、その対処法をご紹介します。
多くの問題は適切な処置により改善できます。
<反りの処置>
無垢の木材は自然素材であるため、必ず多少の反りやゆがみが生じます。
これは木が呼吸を続けている証であり、人工的に作られた素材にはない“生きている木”ならではのものです。
反りの原因は様々ありますが、湿度の高い場所での保管、オイルメンテナンス不足などが引き金で起こることが多いです。
また木材の杢目によっても、反りが起こりやすいものとそうでないものがあります。
反りが出たら以下の手順で補正してください。
①カッティングボードを少し湿らせる
②重しを載せて一晩放置します。
※過度な水分は避け、様子を見ながら少しずつ調整してください
※急激な矯正は更なる損傷を招くため、数日かけて少しずつ調整してください
<ひび割れの処置>
ひび割れは乾燥が原因で木材が縮むことによって起きることがあります。
ひび割れが発生したら、以下の手順で補正をしてください。
①ひび割れ部分を清潔に洗って乾かす
②食品衛生法に適した自然素材の木工用接着剤をひび割れ部分に流す
③完全乾燥後、軽くサンディング(400番→1000〜2000番)
④オイル塗布と蜜蝋ワックスで仕上げ
